かぢや別館らまっころ山猫宿
Kaziya Ramatkor Yamaneko japanese hotel
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kadiya1699
2017-07-07

300年間のれんを守ってきた、かぢや別館の物語

きっと、あなたの心の中にもあると思います。
かけがえのない素敵な思い出。
僕の今いる小さな旅館にも、受け継がれる昔話があるので紹介させてください。

「300年間のれんを守ってきた、かぢや別館の物語」

かぢや別館の歴史を掘り起こしてみると、元禄12年(1699年)「おかんババ」という少し信じられないような名前の方が亡くなったことが記された石碑までさかのぼれました。
どんな人だったのか?会ってみたいデス。。。
その石碑は、明治31年の建造物、かぢや旅館本館を明らかに見下ろせる場所にあり、「おかんばばあ」さんから途切れることなく、現代までさかのぼれます。

その石碑に記されてる時代と被っている時期の町史を調べると、かぢや旅館は今泉街道という江戸時代から顕在する街道に面しており、「米を納付している量が少ないことから、川を使った商売をしていた事が見受けられる」とまで書いてます
かぢやの先祖が眠る安養寺 の和尚さん曰く、その時期は、かぢや旅館の先祖である菅原家しか住んでいなかったと、当時の地図を用いて教えてくださりました。
それ以前の歴史は、安養寺が1700年代に火災にあった時に消滅してしまっております。
なので、少なく見ても1699年以前からずっとこの町で商売をしてきたことがわかったんです。

そして、日本百景に選ばれている日本百景猊鼻渓

今は年間11万人来ている東北を代表する観光地なんですが、
「ここで最初に観光の船を浮かべたのは、かぢや旅館だった」
と、僕のおじいさんがいいます。
猊鼻渓を発信し始めた佐藤猊巌(さとうげいがん)さんは、街道を挟んで隣の家に住んでおり、かぢやが運送業として船をもっていたことから、協力しあったと聞いています。のち、船会社が増えたことで客の取り合いが激しくなり、現場がカオスな状態だったことから、僕の祖父菅原喜重郎が町長になった時に、まとめて今の合同会社、猊鼻渓観光グループになったそうです。今のかぢや別館の女将の弟にあたる、菅原喜哉「すがわらよしや」おじさんが猊鼻渓の代表です。

写真としては、昭和初期のかぢや本館が何枚か残っておりました。

電話は七番w
この写真を見つけたときは、すごく嬉しかったです。
「げいび渓案内所」の看板が、創業の歴史を語っています。

kadiya1699

今日は七夕ですね。
約70年前、今よりも華やか☆彡
右下の女の子は、今は恐らく...

kadiya1699

町の歴史

かぢや旅館のある東山町は砂金が取れたり、鍛冶屋業、東山和紙で平泉文化を支えていたことが知られています。
東山町の人々は、藤原家が治めていた平泉に忠誠の気持ちを込めて、元旦に良質な水を献上していた「磐井清水若水送り」も今に受け継がれています。
東山町は、平泉から真東にあることが名前の由来になっているそうです。

※若水送りの様子。写真右の人物は、菅原喜重郎の長男

日本百景 猊鼻渓という渓谷のある川は、砂鉄川といいグーグルマップでも記されています。
砂鉄や砂金がとれて、この名前になったのは歴史からもわかっていたり、平泉壊滅後の猊鼻渓は落武者がひっそり暮らしていたという説もあります。
町一番の大きさを誇る熊野神社の鍵持ちは、代々菅原家の請負で、菅原喜哉おじちゃんが管理しています。

川の砂鉄で鍛冶屋業を営みながら、街道を歩く旅人を宿泊させていたかぢや旅館には、鍛冶屋業に使う「鞴」も母の代まで残っていたり、刀などの作品は戦争のときにすべて国に持っていかれたそうです。

かぢや15代女将 菅原しめさんは、田山花袋 をもてなした女将として残っていたり
僕のおじいさんが幼少期に
「宮沢賢治が来た」
と菅原しめさんは証言してたそうです。
宮沢賢治は、かぢや旅館のある東山町に仕事で度々訪れていました。
1田山花袋とかぢや旅館
2田山花袋とかぢや旅館

 

昭和時代から今

僕のひいお爺さんは、息子の菅原喜重郎 が小学校低学年の時に亡くなり、お嫁さんは旅館業を継ぐことを選ばず実家に帰りました。
そこで、おじいさんの叔母にあたる菅原しめさんが、実家を守るために嫁ぎ先から別れて帰って来たんです。
嫁ぎ先は八戸の資産家で、出戻り後は資金的に援助をもらったこともあるそうです。
そうやって僕の祖父、菅原喜重郎はかぢや旅館の一人息子として育ちました。
僕のおばあちゃんは、旅館を切り盛りしながら夫を国会議員になる為に支え、5人の子供を育てあげました。
今でも、90歳になるおじいさんを支えるのはおばあさん。
その長女が、僕の母です。

母は、平成14年の台風6号の大雨で壊滅的な被害にあった故郷に、僕が14歳の時に戻ってきて旅館を引き継ぎました。
かぢや本館は復興できず、別館だけの営業を今でも続けています。
下の洪水に写真の、人と被ってるエリアがかぢや本館と別館がある場所です。

被災直後の東山町内

宮沢賢治が東山町に仕事で度々訪れて、当かぢや旅館にも足を運んでいた時期の手帳に、あの有名な詩
「雨ニモ負ケズ」が見つかっております。
本館なしの営業は、元々の計画より効率的とは言えませんし、かぢや本館はこの町の歴史を語る貴重な建物です。
なので、本館の復興が家族の夢であります。

僕自身、菅原家から小原家に、20歳の時に養子に行きました。
しかし小原家のお父さんはとおい親戚でもあり、かぢや本館の復興の夢を理解して応援してくださり、4年前に他界しました。
東山町で、小原家のお墓とかぢやの歴史を守ることを精一杯努めたいと思っています。

設計士さんと打ち合わせを繰り返して、リノベーションを試みてます。

18代館主 小原つむぎ

kadiya1699

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投稿者プロフィール

 創業300年の旅館「かぢや別館らまっころ山猫宿」の18代館主である私、小原つむぎが生活の中で
【東京からUターンして気が付いた地方生活の魅力】
【感じた事、考えたこと】
を綴ります。
 平成3年5月25日生まれ。
高校卒業後、エコール辻東京に進学し「株式会社ひらまつ」で4年間調理場で修業。
その後、ビジネスマネジメントを学び実家の旅館に戻る。

趣味は、写真 生け花 料理。
東京からも噂を聞きつけて来た人がいるという伝説の鰻料理 世界遺産 平泉の魅力とは?

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